取引先を別会社に事実上引き継ぐことで、収益を守り、従業員の雇用も確保できた破産事例(建設業)

業種 建設業
従業員数 4名
負債額 約1億3000万
債権者数 約30名

業績の悪化

 不景気による売上げの減少とそのために増大した借り入れの返済のため、業績が回復しても利益が残らない悪循環に陥っていた。さらに大口取引先の倒産が重なって、資金繰りが悪化した。
 

処理の内容

 依頼者の会社と代表者、代表者の妻が破産した。
 依頼者の事業は、受注した建築工事をさらに下請業者に下請に出すというものであり、自社での施工をほとんどしていなかったため、事業に不可欠な機械類等の資産はほとんどなく、代表者の個人的な人間関係や長年の信用力が事業の最も重要な要素となっていた。
 
 また、代表者の息子が別会社で同じ業務をしていた。そこで、依頼者廃業後は、従前の取引先を息子の別会社に事実上引き継ぐことで、廃業後も息子の別会社で従前とそれほど変わらない収益を上げることができた。
 

ポイント

 別会社の存在により、従業員も引き継ぐことができたため、従業員の雇用も確保することができ、手続後は代表者も別会社の従業員として稼働することができた。
 
 また、事前にスキームを検討しておくことで、仕入先や取引先への迷惑も最小限に抑えることができた。廃業後は、当事務所が全ての窓口となり、債権者に説明等を行ったため、特段混乱も強いクレームも生じることなく手続きを終了することができた。
 
 自宅が会社事務所と一体であったため、自宅からの転居は避けられなかったが、管財人との交渉の結果、申立から約4ヶ月の間自宅に居住することができた。また、金融機関の対応次第では、任意売却代金から引っ越し費用を支出してもらえる場合もある。
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