事実上会社を支配された状況から破産により新たな生活をスタートさせられた事例

 業種 電気契約仲介代理店業
従業員数 6名
 負債総額 約1200万円
 債権者数 約25名

業績の悪化

 売り上げを増やすために人員及び設備の増強が必要となったため、スポンサーからの借入れで設備等の投資を行った。その結果、売り上げは増加したが、経費も増大し、借入への返済も必要となったため、想定していた利益は発生せず、代表者が役員報酬を削るなどしないとやりくりできない状態であった。スポンサーからの返済圧力も強くなり、代表者は精神的に追い詰められて、事実上会社を支配されるような状態となっていた。

処理の内容

 相談時には、代表者は精神的にかなり追い詰められている状態であり、代表者であるにもかかわらず、会社に居場所がないとのことで、事実上会社を乗っ取られていると感じている状態であった。そこで、状況を法的に整理して、代表者に説明を行い、事業を継続するかどうかの選択を促した。代表者が破産申立を希望したことから、事務所を閉鎖し、明け渡し作業を行った上で、粛々と破産を申し立てた。

ポイント

 廃業当初、従業員及びスポンサーからの苦情の電話が相次いだが、いずれも当事務所において対応した結果、代表者本人には全く負担をかけることなく対応が完了した。

 当事務所において、会社事務所の明け渡しに関する家主とのやり取り、明渡確認等を行い、問題なく明け渡しを完了した。

 従業員については、会社において適切な労務管理がなされていなかったことから、手元の資料から可能な範囲で当事務所において解雇予告や未払い給与の算定等を行い、労働者健康安全機構の立替払い制度が使えるよう書類等を準備して破産管財人に引き継いだ。

 売掛金の回収も当事務所において行い、一部支払いを拒んだ売掛先については、破産管財人に状況を説明して引き継いだ。

 相談当初は精神的に追い詰められていた代表者も、当事務所受任後は落ち着きを取り戻し、無事に免責決定を得て新たな生活をスタートすることができた。

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