事業再生ADRとは

 
 事業再生ADRとは、わかりやすく言えば法務省と経済産業省に認定を受けた専門家が、債務者と債権者の間に入り、話し合いによる合意に基づいて債務の整理を行う手続で、私的再建の一種といえます。

事業再生ADRのメリット

  事業再生ADRは私的再建の1つですから、専門家の関与により関係者に対する公正性・公平性を出来るだけ確保しながら債権者との合意により企業の再生を図り、「信用不安」を回避する等のメリットがあります。  

 また、事業再生ADRには、債権放棄による損失につき無税償却が認められる、つなぎ融資がやりやすくなるなどのメリットもあります。

 

事業再生ADRのデメリット

 私的再建の特徴である、大口の債権者や再建に不可欠な事業用財産に抵当権を持つ債権者の1人が反対している場合に再建が不可能となるという点は、事業再生ADRも同じです。  

 また、上記のつなぎ融資に関しては、経営不振の中小企業につなぎ融資を実行してくれる金融機関はほぼ皆無であり、手続費用が相当額に上ることからも、実際に事業再生ADRにメリットが生まれるのは大企業に限られると思われます。

 

現状と方針

 平成23年1月にバイオメーカーの林原が、事業再生ADRを申請し、直後にこれを断念して、会社更生手続開始を申し立てるというケースがありました。

 私達の見解では、事業再生ADRは相当の費用もかかることから、そもそも大企業向けの手法であり、大企であったとしても、条件が揃わないと成功しない方法であると考えます。
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