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破産直前の仕入れについて

弁護士による会社破産の申立ては,まず,代理人弁護士が債権者に対して,一斉に受任通知を発送することから始まります。受任通知の発送の日に,会社は事業を廃業し,労働者についても解雇してしまうのが通常ですので,この日は会社の破たんが社会的に明らかになる日でもあります。弁護士の業界ではこの日を「Xデー」と呼ぶことがあります。
 
もちろん,Xデーの前から破産に向けた準備は行われており,経営陣もXデーを事前に把握しているのが通常です。
 
債権者に破産の受任通知を発送すると,仕入元の債権者から受任通知直前の仕入れについて苦情をいただくことがよくあります。「破産の予定があったのに,仕入を受け入れるとは酷いではないか」というものです。中には「詐欺にあたる」と厳しい意見を述べられる方もいます。
 
しかしながら,会社の破産においては,Xデーが事前に漏れてしまうと,いわば「取付騒ぎ」のような状態となりえます。こうなると,勝手に換価性のある物を持って帰ってしまったりする債権者が現れ,債権者の公平が図れません。
 
そのため,破産の予定は経営陣しか知らないのが通常で,仕入担当などにはXデーを伝えられておりません。また,仕入担当に「仕入をしないように」と命じておくことも,憶測を呼びますので,あえて行わないのが通常です。

企業再生に関するコラム記事はこちらをご覧下さい。

2011年10月31日 No.1 中震災の影響小企業金融円滑化法について

2011年11月14日 No.2 株式会社安愚楽牧場再生について

2011年12月01日 No.3 中小企業金融円滑化法について

2011年12月29日 No.4 中小企業金融円滑化法について2

2012年 1月26日 No.5 為替デリバティブ・通貨オプション取引について

2012年 4月30日 No.6 債権者会議について

2014年 1月21日 No.7 円滑化法後のリスケ交渉

2014年 1月28日 No.8  破産前に避けたいこと

2014年 3月31日 No.9 破産のタイミング

2014年 6月 3日 No.10 破産から再生へのレアケース

2014年 7月 9日 No.11 経営者保証ガイドラインについて 

2014年12月29日 No.12 特定調停スキーム

2016年11月28日 No.13 国の施策の影響

2016年12月20日 No.14 管財人の選任のされ方

2016年12月27日 No.15 管財人の傾向

2017年 6月 3日 No.16 裁判所のローカルルール1

2017年 6月10日 No.17 裁判所のローカルルール2

2017年10月19日 No.18 倒産情報

2018年 1月 7日 No.19 破産直前の仕入れについて

2018年 1月21日 No.20 代表者は犯罪に問われるのか-「はれのひ株式会社」の倒産-

2018年 2月 4日 No.21 民間の企業再生コンサルタント

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